醜悪至極。
この事件に正義など全くもって皆無。
凶感に共感したものが凶漢に走る。
前作に引き続き、カールとアサドのコンビが絶妙な感情でこちら側の心持ちをまさぐってくる。
幾重にも重ねた手掛かりがこちらを惑わせ、芳しい香りを漂わせるダークグリーンの色調で物語をより重厚に光らせている。
結末も非常に現実的。
今世紀に連ねるハッピーエンドを一蹴させる、事件は解決するも救えない心がココに在ると言わんばかりの出来栄え。
ニコライ・リー・ロスの分かりづらくも微笑ましく見えてくる葛藤の変化も癖になる。続編がまた楽しみです。