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ダンケルクのnenのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
5.0
「ダンケルク」は、IMAXフィルムを映画史上最長の尺で使用した映画になる。80分ほど。
「TENET」も同程度の尺に使用されている。

映画の歴史で、IMAXフィルムを使用した劇映画は10本少ししかない。
他はIMAXデジタルカメラか、撮影後に素材をIMAXに変換した作品になる。
最新で使用した作品は「NOPE」。

元々は、科学館などで上映されるような自然を撮ったような短いドキュメンタリー映画に使われていた物で、
劇映画では、1995年に初めて「愛と勇気の翼」という映画で使用され、その次が2008年の「ダークナイト」になる。

クリストファー・ノーランは「映画館でしか得られない体験を取り入れたい」という意図で、IMAXフィルムを採用した。
それから劇映画でも流行り始めた。
IMAXフィルムカメラは一度に撮影できる尺が短く、カメラも重くて、コストがかかる。

IMAXフィルムの迫力は、IMAXデジタルカメラだとなかなか再現できない。
(現在はまた発達してきて「DUNE」「トップガン マーヴェリック」もあるのでわからないが)
IMAXフィルムは、解像度が4k以上あり、アスペクト比(縦横比)が1.43:1で縦に長い。
IMAXデジタルカメラは、まだもう少し解像度が落ち、縦も短い。

それから、IMAXフィルムの映像を再現して上映できるIMAXシアターが日本に2か所しかない。
グランドシネマサンシャインと、109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXレーザーである。

他のIMAXシアターは、2009年頃から作られ始めた簡易・量産版のIMAXで、それ以前にあったIMAXシアターに比べると、解像度が落ち、スクリーンも高さが短いので、IMAXフィルム撮影作品を上映するとなると、画面の上下が切られてしまう。スクリーン自体も小さい。
その2か所以外にも「IMAXレーザー」はあるが、やはり高さが短いので上下が切られてしまう。

縦に長いと没入感が違う。
クリストファー・ノーランの言葉では、「ダンケルク」は「ゴーグルいらずのVR」。
まったく大げさではないと感じた。
解像度の高さにプラスして、デジタル視覚効果を少なめにした実物主義の映像も、実在感と画面の圧が凄かった。

ちなみに「スターウォーズ フォースの覚醒」で、レイ、フィン、BB-8がミレニアム・ファルコンに乗り込み戦うシーンも、すべてCGだが、IMAXフィルムと同じアスペクト比で縦に長く、
目の前をミレニアム・ファルコンが飛んでいるようで、スターツアーズのようにライド感が半端なかった。
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