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青空エールのお湯のレビュー・感想・評価

青空エール(2016年製作の映画)
3.9
中学生の時の私はしっかり吹奏楽部員をやっていたので、あるあるが多すぎた。


青春部活映画は、部を初めから作り上げたよ頑張るぞ!とか弱小チームの下克上だよ頑張るぞ!とかが多い気がする。
だけどこの作品は、昔は強豪校だったチームの軌跡なので、積み上げられてきた"プレッシャー"と戦っていくというのが丁寧に描かれていた。
私の中学も古豪だったので、感情移入した。

何から何までリアル。

コンクールの結果発表のときに、自分の学校の順番を待つまでのチームの緊張感、狙っていた賞が取れなかったときの周りの沈黙、その沈黙の中で後ろから聞こえる他校の歓声、
本当に本当にリアル。嫌なくらいにリアル。


スウィングガールズやのだめなど、様々な音楽映画に生徒として出演してきた上野樹里が先生役なのは、感動した。
しかも「陽だまりの彼女」の三木監督作品で。玉木宏の指揮は見ていられないほどひどいので、上野樹里は上手くて感動した。さすがの音楽センス。



強豪校と呼ばれる学校で、初心者から始める、しかも花形のトランペット……。
並大抵の精神力ではできない……だけど、あの翼ちゃんなら、できてしまいそう。キャラクターとして粘り強く、負けず嫌い、そして仲間思いだという事が、演奏してる場面以外からも描かれていたので、納得できた。
ただ、太鳳ちゃんは本当に、原作どおりにやってしまうというか、漫画からそのまま抜け出した感じの演技をするので、リアリティが生まれないのは勿体ない。
鈴木先生ではその再現度の高さで、作品自体をも成功に導いたけど、少女漫画系ではthe架空の人物感が出て、浮いてしまう。


わたしも大事な時期に、腱鞘炎や舌を切ったりなど、色々大変なことになっていたので、志田未来の役は、本当にかわいそうだったなあ……。
青春っていいけど、当人たちには残酷だったりする。
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