このレビューはネタバレを含みます
母を殺した男の、その後数日間の物語。
全編、キャストたった一人のみ。
まず、導入がいい。
男のナレーション、母への不満。
具体的に何も明言しないのに、直前に男が行った凶行と、心の揺れが感じ取れる。
そして、翌朝。
陽気に朝食を摂り仕事に向かう男。
『あれ?さっき感じた違和感は勘違い?』と観客が思った直後。
ゆっっくり、寄っていく一つの部屋のドア。
う~ん、おもしろい。
内容を単純に言っちゃうと、
実家暮らしのダメな男が母親殺して、それが世間にバレるまでの話。
だけど、そこには人間の持つ弱さや、堕落、依存、見栄の様な、誰しもが感じるネガティブな普遍性があります。
『バカだなーコイツ(笑)』、と思った直後に、
『俺とコイツは紙一重なんだなぁ。ゴクリ』、と感じる確かなサスペンスがありました。
上演時間もこれ以上だと長いが、ちょうどいい。