Otun

ジョーカーのOtunのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.6
貧しく、報われない男がいた。
それでも少しの希望をすくい出し、それにすがる男。
削られ、叩きのめされ、それでも自分に残された希望を必死に掻き集めようとする。

世間、社会、同僚、家族、恋人。
彼とを結ぶ、あらゆる糸が分断される。全てを失う男。
病室のTV画面を見上げると、夢にまで見たTVショーに自分が映っている。

絶望。
絶望の果てに男が新たに見た世界。
絶望の果てに世界に新たな自分を見せた男。

なんて、恐ろしい映画だろ。
こんな世界があっていいはずがない、こんな世界がすぐ近くまで来てるんだろうか。
そんな想像力を働かせてしまう映画だった。
そんな恐ろしい説得力に満ちた映画だった。

恐ろしくも美しい傑作。
Otun

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