なんだかよく分からないけど、すごいものを観た。
どこかの小さな島で暮らしを営む数組の男女。男女と言っても男は10歳前後の少年、女はその母親くらいの年齢の女性のペア。全部で多くても30組ほどか。奇妙な食事、投薬、磯辺での活動。
この時点で既に異常だけど、話が進むにつれて彼らの異質性がますます明らかになる。
結局彼らはどういう存在だったのか?考察が気になる。
定点カメラによるすごく単調なカメラ回し、会話も極力排して音楽もない静かな映像、なのに全く退屈しないし眠くならない。それだけ語られるストーリーが凄まじい。雄弁な沈黙。
暗い海の中、ヒトデやイソギンチャクやウミウシなどの海棲生物がグロテスクに官能的に美しく映し出される。胎児や臓物も出てくる。気味が悪いのに目を背けられない。
不気味で不可解だけどどこか癖になる。いつかまた見返したい。