エイデン

死霊館 エンフィールド事件のエイデンのレビュー・感想・評価

-
1976年ニューヨーク、アミティビル
12月の真夜中に、ラッツ一家の面々が住居から飛び出して助けを求める
一家はこの家に引っ越して来てから心霊現象に悩まされており、その日以降ラッツ一家の住む家は悪霊が取り憑いているとして有名になる
その2ヶ月後、心霊現象の専門家であるエドとその妻ロレインのウォーレン夫妻は、調査のためにラッツ家を訪れる
霊能力を持つロレインは、カメラの前で交霊会を行い、この家にラッツ一家が住む前ロニーという男が家族を惨殺したと判明する
ロニーもまた悪霊に取り憑かれていたのだ
ロニーが家族を襲う姿を追体験するロレインは、その直後 シスターの姿をした悪霊に襲われ交霊会は中止となる
ロレインは、近々自分達を襲う者が現れることをエドに予言するのだった
1977年イギリス、エンフィールド
閑静なこの地に、貧しい暮らしをしているホジソン家が引っ越して来ていた
離婚して女手一つで子ども達を育てるペギー、そしてその娘マーガレットとジャネット、幼い弟ビリー
引っ越しが終わってから、一家は奇妙な出来事に遭遇し始める
2階の部屋でマーガレットと一緒に寝ていたジャネットは、音がして目覚めると1階の床に寝ていたり、2人の部屋の扉が誰もいないのに叩かれたりと、ジャネットは不思議に思ってペギーに相談していた
ペギーは自分の離婚がショックでジャネットは夢遊病にかかったのだと考え、心配するのだった
ジャネットの夢遊病は日に日に酷くなり、ある夜 物音で目覚めたマーガレットは、ベッドの脇にジャネットが立っているのを見かける
早く寝るように言うマーガレットにジャネットは、突然 野太い男の声で「ここは俺の家だ。出ていかなければ殺す」と答える
おかしな出来事は加速度的に増えていき、やがて一家にあり得ない恐怖が襲い始める



『死霊館』の直接の続編にして死霊館シリーズ3作目

今度のモチーフはタイトルにもあるエンフィールド事件
1977年から2年余り続いたという記録上 最長のポルターガイスト事件である
家族の証言だけでなく、英国心霊調査協会の調査員、マスコミ、警察官もポルターガイストを確認
作中にも登場するジャネットが空中浮遊する瞬間の写真や、取り憑いた霊の肉声までもが現存する、最も信憑性の高い心霊現象事件とも言われる
ちなみに取り憑いた霊の肉声は、作中そのまま使われているという
無論ウォーレン夫妻も実際に事件に関わっている

実際の事件ではポルターガイスト止まりだけど、本作ではド派手な大心霊現象祭り
肉体もろとも精神を滅ぼしてやるという強い悪意を持った強力な心霊現象が目白押し
アナベル人形くらいだったマスコット悪霊達も、クールなビジュアルにつぶらな瞳のへそ曲がり男さんや、ようやく悪魔化したマリリン・マンソンみたいな悪魔シスターさんまで、インパクトしかないキャラクターがわんさか出てくる
不穏な空気にビビってる暇も与えない

安心安定のホラー描写でシリーズの力強さをしっかりと感じられる上、ウォーレン夫妻の織りなすドラマもなかなかで評価も高い
今回登場した悪魔シスターがメインの『死霊館のシスター』に、へそ曲がり男のスピンオフも企画中
ますます広がる死霊館ユニバースに期待しつつ震えて楽しもう
エイデン

エイデン