ぽち

エイプリル・ソルジャーズ ナチス・北欧大侵略のぽちのレビュー・感想・評価

3.7
見事な切り口で今までに見たことのない戦争映画となっている良作。

特殊な状況を実にうまく使いテーマを明確に打ち出し、派手な演出や爆破シーンを使うことなく緊張感を高めているのが見事。

「自転車部隊」と言うショボい部隊がリアリティがあり素晴らしい。
最初の出動の映像を見る限り3小隊で1中隊だろうか。
1小隊7人ほど。各小隊一丁の軽機関銃。それをばらして自転車に付けて、各人が一丁のライフル。戦力はそれだけ。

戦闘シーンに派手な絵が無いのはグレネード系がないせいだと思う。
しかし「プライベート・ライアン」のオープニングの派手な戦闘での緊張感に負けないぐらいの、静かなリアリティのある緊張感が描けているのは素晴らしい。

ドイツ軍が国境を越えて戦争となってから政府が降伏するまで、たったの6時間。「第二次世界大戦中最も早く終わった戦争」だそうで、こんな特殊な状況はめったにないのに、なぜ今まで映画化されなかったのか不思議だ。

今作はこの状況を見事に使いこなし、戦争の虚しさ、その意義を端的に描き出しているのが見所だろう。エンドロールのインタビューにも重さを感じる。


余談。
wikiより
「朝早く少数のデンマーク軍がドイツ軍と交戦し、16名の死者と20名の負傷者を出した。ドイツ側の死傷者数は不明であるが、12両の装甲車などが破壊され、戦車4両が損傷した。また、ドイツの爆撃機1機も損傷した。短時間の戦闘の間、二人のドイツ兵が一時的にデンマーク側に捕えられた。」

これだけの軍備の差があったにもかかわらず捕虜二名って・・・・
どんだけお間抜けな兵士だったのか想像がつかないぞ。


あ、今作は実話じゃないからね。お間違えの無いように・・・
ぽち

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