Yukiko

君がくれたグッドライフのYukikoのレビュー・感想・評価

君がくれたグッドライフ(2014年製作の映画)
3.9
2022年12月10日
『君がくれたグッドライフ』 2014年ドイツ制作
監督、クリスティアン・チューベルト。

ドイツ。
ハンネス(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)は妻キキと
仲間たちと一緒に、毎年行っている自転車での旅に出る。
今年の行き先は、ハンネスの希望でベルギーだ。
旅の途中でハンネスの実家に寄るが、ハンネスの母は息子を
見て、急に泣き出す・・・


尊厳死を扱った話。

テーマは重いが、自転車で旅する為か、秋の紅葉した風景が
美しく、爽やかな印象。

旅する途中に仲間が新たに出会った人や、様々な出来事を
取り入れ、無事にベルギーに着くのだが・・・・


命ある限り、生を全うする。
以前はそれが当たり前で、医師は生かすことが使命だと
信じていた。
が、年取ってきて、自分でここまで、これ以上は生きたく
ないと、死を選ぶ生き方も、次第にそれも有りだなと
思うようになってきた。

家族や仲間に見守られながら、静かに安らかに眠るように
亡くなる・・・理想的ですね。

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〈尊厳死〉    Wikipediaより抜粋
各国の状況:
イタリアでは2018年1月31日、尊厳死を認める法律が
施行された。
法制化の背景としては、交通事故の後遺症による苦痛を
インターネット動画で訴えた末に、安楽死が認められている
スイスで自ら死を選んだ男性らの活動が世論に影響した事。
ローマ教皇フランシスコが2017年11月に
「尊厳死は道徳的に正当」と語ったことなどが挙げられる。
(但し、カトリック教会全体としては反対論も依然多い)
イタリアの団体「オープンポリス」の調査によると、
ヨーロッパでは、イギリス、オーストリア、クロアチア、
スペイン、ハンガリー、フィンランド、ポルトガル、ドイツ、
フランスが尊厳死を認める法律や規定を持つ。
医師による安楽死は、2001年に世界で初めて認めたオランダ、
スイスの他、ベルギーとルクセンブルクが合法化している。

アメリカでは、患者本人の希望により人工呼吸器を取り外す
事は、1970年代にインフォームド・コンセントとして確立
している。
アメリカやイギリスでは「患者が冷静かつ明確に望まない
医療を拒否しているのであれば、それに従うのが医療倫理で
ある」とされ、強制すれば医師は傷害罪に問われ得る。

90歳を超えた橋田壽賀子さんは
「終活を考えるようになったのは”自分の意思で死なせて
欲しい”という思いである」と、「文芸春秋」2016年
12月号で述べた。
橋田さんは安楽死は患者の尊厳を守るもの、人助けなのだと
する考えが普通になることを自身の願望として、「そういう
世の中なら安心して生きていける」と語っている。
本人が元気なうちに意思表示をしておいて、安らかに眠らせて
もらえたら一番良いとして「医者が罪に問われない法制度」を
日本へ導入を求めている。

韓国では、1997年に医師が家族の要請に基づいて、患者の
人工呼吸器を外した為、殺人罪で起訴された事件を
きっかけに、尊厳死に関する議論が起こり、2016年1月に
尊厳死に関する法案が成立した。

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この映画の内容を知らずに、病院のベッドで、手術後の
痛さを少しは緩和できるかと観ていた。
病院のベッドで、尊厳死の映画を観るなんて皮肉な話だ。
「一寸先は闇」だと今回の怪我でつくづく思う。
それでも病院で手術をして良くしようと、治そうと自然に
考えて行動するのは、本能だろうか。
Yukiko

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