こちらは男同士の友情の物語。
熱い抱擁を交わす男たちは
末期がんで 余命僅かであるフリアンと
海外から駆けつけた親友トマス。
フリアンの終活と 愛犬トルーマンの里親探しの4日間の物語。
サラッとしていて めそめそなんてしないのが 男の友情なのかな。
留学している息子の誕生日に合わせて飛行機に乗り
ほんの少しの時間を共に過ごして息子と強く抱き合った時
わたしはポロリと涙が流れた。
親友に「少し泣いてくる」と背中を見せるフリアンが 素敵だったわ。
後から 息子は父親の病気を知っていた事が分かるのだけど
その会話は一切しない。
感情を吐き出す女とは異なる
黙しても分かり合えるというものだった。
ラストにトルーマン(フリアンの飼い犬)の主人を見上げる表情が
いい演技をしているのよ。
原題は「Truman」。
彼の今後を心配する心優しい主人。
皆が これで最後のお別れかもしれないと分かっていながら
それぞれの人生に戻っていく彼らの後ろ姿···
静かでじんわりと味わいのある物語です。