リタ

3月のライオン 後編のリタのネタバレレビュー・内容・結末

3月のライオン 後編(2017年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

前後編一気見したのでまとめてこちらに。
そんなつもりじゃなかったけど
とんでもなく長文になった

漫画は序盤を読んだだけなので良く知りませんが
川本さん家のキャスティングが絶妙だと思った。次女特に可愛い。
島田さんかっこよかった。
加瀬亮は人じゃなさそうな感じではあった。羽生先生と谷川先生を足して割ったような佇まい。
有村架純は悪役似合いますね。
伊勢谷友介は胡散臭い男が上手い。
神木くん笑うとかわいい。


…私が良かったと思うのはここまでであった…
前編で感じた違和感は細かいことだと振り解こうとしたのに、
後編になりどんどん膨らんで、我慢出来ない大きさに。


・もっとほんわかした物語かと想像してたせいもあるのか。
ギスギスした空気だけが前面に出ていて見てて疲れた。長尺に感じた。後編は特に。
抜くところがないと飽きちゃうよね〜…


・大盤解説投げ出して対局中の部屋に走って駆けつけるなどの無意味なドラマチックシーンは控えてほしい。
将棋を題材にしたファンタジーとは言えあり得ないことの連続は冷める。


・染谷将太の激励が耳障り

・宗谷先生耳聞こえない時に感想戦とか解説とかどうやってるんだろうか

・次女の髪飾りがダサい
今時あんなの売ってないからお姉ちゃんのお下がりなんでしょうか。
百均でもっと可愛いの買ったげて


・川本家のお父さんに対峙した桐山が「やり過ぎてしまった」エピソードは
桐山くんの隠された狂気に狼狽してしまった。
しかしまあ家族の愛を受けていないから与え方がわからないのも仕方ない。
緊張して大袈裟になっちゃっただけよね!

ということでその後どうやってこの痛い局面を挽回するのかと思いきや

結局最後、桐山くんは夜遅くに川本家に突撃して震えながら謝っただけ。余計怖い。

力になりたいって言ったけど力をもらってたのは僕でしたごめんなさい。
君に救ってもらったので今度は僕が君を救うってセリフは既出なのに。なにも成長してない。

人を救うというのは、相手が求めていることを理解することから始まるんだと、あの時の桐山くんが心得たようには見えなかった。

いじめのくだりで高橋一生先生を通じてそれを桐山くんに分からせたかったんじゃないのか?エピソードが生きてない。

対する川本姉妹も痛々しく桐山くんを一瞥しまあ家入りなさいよ、程度に見えたぞ。
次女のありがとうも同情でかけた言葉に聞こえる。
…なんだこれ!

あんなに強い打撃を主人公に与えたのに。腑に落ちない。



・終わり方もやもや。
もう将棋しかない、というネガティヴパワーで憔悴している伊藤英明を負かす。
その対局中「生きるために嫌々将棋を指してたと思ってたけどほんとは将棋とそれを通して出会った人が好き」的なことに気づく。
…なぜここで?

投了のタイミングも分かりづらいし。
憮然とした態度で頭を下げるだけの伊藤英明にひっかかった。潔くない。

そしてバタバタと獅子王戦へ突入して、宗谷獅子王に対峙して終わり。

景色綺麗だけど
あんな外での対局寒くないのかな。



・対局中の棋士に話しかけたり、感想戦を勝った側が打ち切ったりというマナーの悪い行為を
善人な筈の桐山くんや宗谷名人がしていて残念。
演出とはいえ興ざめ。



・これが一番納得いかないんだけど、

負けていったモブ棋士や夢破れた有村架純達兄弟がとんでもなく人柄が悪いこと。

同情できる部分も見えない。

しかも先輩たちとか遊んでるだけにしか見えない。
そりゃ勝てんわ!

だからこの話全体が結局浅い勧善懲悪ストーリーになっていて気持ちが悪い。

勝負事って現実はそうじゃないはず。


桐山くんは終始暗い顔をしてたけど、
映画を見てる限り、負けた相手が悔し紛れに罵ってくる毎日が辛いだけ。

弱くて努力しなくて負けて相手を罵る人柄の悪い相手を負かしたところで
勝ち続けることの苦悩なんてあるのか疑問だった。


予告にも使われる見どころシーンの
「将棋しかないんだよ」って

自分は将棋しかないからお前達より努力してるんだ
負けたのはお前が弱いからだ文句言うな

という意味に受け取ったが

将棋ってそんな浅い世界なの??


違うと思う。

強い棋士達の苦悩というのはきっと、勝っても手放しで喜べないところにあるんじゃないの?


棋士は勝っても、
相手を思いやって喜ぶ素振りを見せない。

厳しい将棋の世界において、
勝つということは結果的に
相手を蹴落とすことになるからだ。


人生全てを将棋に捧げていたとしても、
負けてしまうことはある。

投了した相手を目の前にして、
同じ棋士だからこそ
勝った側も自分の事のように辛い。


勝ち続ければ足元には
蹴落とされた人たちの悔しさが積み上がっていく。

それが強い棋士にとっての苦悩なんじゃないかな?


桐山くんは、中学生でプロになる才能があって
努力により更に力を伸ばしてる。

勝って嫉妬した雑魚に罵られる毎日を過ごして、
将棋は辛い。強者って大変。って
暗い顔してるけど、そうじゃないんだって絶対…!


蹴落とされた人達に品がなさ過ぎて
感情移入出来ない。

ていうか出て来るキャラクター殆ど好きになれなかった!


いや!!
前田吟だけは素敵だったな!!
今思い出した!!!
リタ

リタ