くう

愚行録のくうのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
3.6
タイトルの意味が解るにつれ、ああ…だから「愚 行 録」なのかと。

登場人物が総じて酷くて。
誰にも同情できず、そして誰もに自分の姿も垣間見える気がして気持ち悪い。愚かだね。

それでも人の命を奪うのはやっちゃいけないことだよ、なんて言えないわ。

タイトルバックをボーっと見て、突き落すように繰り返される劇伴を聞きながら泣けてきた。
「生まれ」が人の一生に及ぼす業の深さ。

愛されフェイスの妻夫木聡だからこそ暗く沈んだ役が妙に合う。
この人のこういう役はハイな役柄よりも好きだ。

満島ひかりちゃんはねぇ…もう…作品の中ではいつも幸せになれる気がしない。

「秘密が好きなの」は現行ドラマと被る所が多くて色んな妄想が働く。

あと、小出恵介ね。
この人は良い人もハマるのに、どうしてこんな役がこんなに似合うのだろう(笑)

すごくすごくイヤな話だったけれども、この人たちの競演は楽しかった。邦画は今年もいいね。
くう

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