ぴのした

ドラゴン・タトゥーの女のぴのしたのレビュー・感想・評価

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)
3.8
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ドラゴン・タトゥーの女/デヴィッド・フィンチャー
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調査は一流だけど社会不適合者の女と、実業家を告発して敗訴した雑誌記者が協力して40年前の少女失踪事件を追う話。
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表向きはそうなんだけど、これはよくよく見てると事件解明までがメインになっているわけではなく、このドラゴンタトゥーの女、リスベッドの人生の中というかこの人物そのものに焦点が合っている感じ。
レイプ犯に復讐するシーンだとか、調査の仕方のこだわりから見えてくる人となりだとか、男性やスーツの男への不信感、そんな中で主人公演じるダニエルクレイグに惹かれていく姿だとか、言葉数は少なくともうまく人物像を描いている印象。
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全体的に登場人物もおおく話も難解でかなり集中して見ていても話についていけない。その割にセリフとかは全然多くなく、観る側が映像から情報をどう得ていくかが問われる。これは何をしているシーンなのか、何を発見し、何を感じているのか。解説でわかったのだけれど、最初のタバコを買うシーン、ライターと一緒に買って、一本だけ吸って残りをすぐに捨てるこの場面。これは、禁煙していたんだけど敗訴の苛立ちでそれを破ったということがわかる演出だという。この情報は結局会社に戻った時に捕捉されるのだけれど、よく見てよく考えたらそうなのかと予測がつく。全体を通して画で読む小説という感じがした。このシーンシーンで登場人物の心の声が聞けたらわかりやすいんだろうなあ、と。原作を読んでみたい気になった。