ぴのした

ネズミ捕りの男のぴのしたのレビュー・感想・評価

ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)
3.6
ネズミ取りの男とネズミとの格闘の場面が面白い表現だった。直接な表現はないミニマムな場面なのに語りやカットのテンポ感でどんどん引き込まれていく。

フェレットとネズミを取り出すシーンなんかも実物を出さないで落語のように「あるもの」としてやり切る演出が画期的だった。「映像でそんなことやっていいんだ!?」と目から鱗が落ちた。むしろ「俺だけ見えてないので実はちゃんと映ってるんじゃないか」というくらい当たり前にやっていて、それを実現する俳優の演技力も含めて凄かった。

物語的にはパフォーマンスだけして何も解決しないままネズミ取りが帰って行くのが面白い笑

ロアルドダールのストーリーは全然綺麗に着地しないのに道中がやたら面白いんだよな。きれいに着地させようとしたけど大風呂敷広げすぎて失敗した、とかじゃなく最初から着地を目的としていない感がある。