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さとにきたらええやんのkyokoのレビュー・感想・評価

さとにきたらええやん(2016年製作の映画)
4.8
釜ヶ崎の雑踏を学ラン姿の少年の自転車がおっちゃんたちをすり抜けて疾走する。その先にあるのは釜ヶ崎の子どもたちを1977年から見守り続けている「子どもの里」
玄関先にはびっしりと靴が並び、赤ちゃんからティーンズまで、大勢の子どもたちがダイナミックに遊んでいた。

放課後の遊び場として、障害を抱える子のサポーターとして、親と暮らせない子の里親として、育児に行きづまった母親の相談相手として、いつだって里の懐は全開。この町が行き場を無くしたおっちゃんたちを受け入れるように、子どもたちを、親を、いつだって「さとにきたらええやん」と言ってまるごと受けとめてくれている。

周囲の人の真摯な気持ちを抱いて、子どもたちが前に進む瞬間を目の当たりにした。
笑顔、泣き顔、怒り顔、ジョウがSHINGO★西成と一緒に歌う顔も、マユミが必死に泣くのを我慢している顔も、マサキの疾走するドヤ顔も、みんなその愛を知っている顔。そりゃBBAの老朽化した涙腺なんぞ一発で決壊するわ。


「隣る人」同様、これもまた子どもたちのプライバシーの問題によりソフト化は難しい。不定期にかかる自主上映の機会があったらぜひ観てほしい。
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