なんて、なんて丁寧で優しい映画なの、、、。
「乗り越えることで、強くなる」ことを是とする風潮の中、乗り越えられないひとが死を選ぶニュースも少なくない日々だけれど。
乗り越えられなくたって、生きている限り時間は進んでいく。
「あの日から、心が壊れたまま」の2人が再会し言葉を交わすシーンで、涙が出た。
あまりに大きすぎる出来事で、失ったひと、失ったものを抱えた二人の「喪」は続く。
あの町の雰囲気、人間関係とその変化、そして登場人物たちそれぞれのキャラクター。
無理に入り込まずともそれらがしっくり入ってくる、構成と脚本、役者さんの演技が本当に見事。
終わったあとも耳に残るマンチェスターの波の音とともに、彼らのその後の人生を想像することができる、豊かな映画体験。久しぶり。
じんと心に残る。