あいさんの映画レビュー・感想・評価

あい

あい

パターソン(2016年製作の映画)

3.5


ジャームッシュは、すべてが理想通り、ではないけれども、平坦な日々をきちんと積み重ねていくことの美しさ、を教えてくれる。

有名な詩人になりたいわけではなく、本当のところは自分と大切なひとだけが、その
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グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル(2016年製作の映画)

4.5


今まで本当に作品にしか触れたことがなく、インタビューとかを読んだことがなかったので彼と彼を取り巻く人々の言葉は新鮮だった。

意外だったのは、巨匠から多くの手法を盗んでいる、と話していたこと。すっか
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.0


80年代という舞台の中では、「大恐慌時代」生まれの母ドロシアが1人「時代錯誤な」人間として描かれる。
けれど、パンクロックや過激なフェミニズム思想もまた、21世紀からすると随分と時代遅れに見えるのが
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22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

2.0


何も知らず人に誘われ開始15分後くらいに席に着いたらいきなり藤原竜也が「わたしが殺人犯です」と言いだしたので笑った。

すげえコメディーだなあと思いながら観終わって、最後のエンドロールで入江監督と知
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.0

なんて、なんて丁寧で優しい映画なの、、、。

「乗り越えることで、強くなる」ことを是とする風潮の中、乗り越えられないひとが死を選ぶニュースも少なくない日々だけれど。

乗り越えられなくたって、生きてい
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メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

4.0

世界随一の美術館、メトロポリタン美術館でのファッションイベント「メットガラ」。
華やかな舞台の様子と、またアナ・ウィンターの伝説を上塗りする派手な映画かと思っていたら全然違った。

予想外にこの映画の
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午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

3.0

あのとき自分がドアを開けていれば、助かったかもしれない命を弔うため、奔走する女医のジェニー。

亡くなった彼女は一体誰なのか。
弔うためには名前が必要なのだ。
亡くなったということよりも、確かに生きて
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モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由(2015年製作の映画)

3.0

愛し合っているからといって、お互いを幸せにできるわけではない。
傷つけあってしまうことが分かっているからと言って、愛さないでいられるわけでもない。

相手の愛を理解するのも信じるのもとても難しいことだ
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淵に立つ(2016年製作の映画)

4.8

危ういバランスで成り立っている日常から、それが崩壊していく過程、そして全ての登場人物が狂気を露わにする、あらゆるシーンにその不穏さがにじみ出る。
「普通」の中に潜む人間の狂気をまるでホラーのように、さ
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

5.0


久しぶりに、最高のボーイミーツガールの瞬間を見てしまった。
「これをいいと言わなければ、僕は自分の人生を肯定できない」と誰かが言っていたけど、まったくその通り。わたしはこの映画を愛さないではいられな
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ブルックリン(2015年製作の映画)

3.2


1950年代、アイルランドからアメリカへ、女の子が1人で旅立つというのは大変なこと。トランク一つで船に乗り込んだエイリシュの顔には希望よりも、不安がいっぱいだった。

人生は、選択を迫られることばか
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ナポレオン・ダイナマイト/バス男(2004年製作の映画)

3.0


おうちで見てたらねむみを堪えるのに必死だった。
でも、これ以上に、だらだら見ながら幸せな寝落ちをするのに適した映画を思いつかない。
ゆるりゆるり、みんなおかしい。噛み合わなさと、登場人物の可笑しさは
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FAKE(2016年製作の映画)

4.5


これは、すごいドキュメンタリーだ!!

森達也のドキュメンタリーは、絶対に森達也にしか撮れない。
なぜなら彼が撮るものは、森達也と被写体の関係性こそがストーリーを作っているから。
監督自身が「ドキュ
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

3.5


食事のシーン。
家の中のカット。
「手」の写し方。
暗転の使い方。

ああ、是枝監督だ...と思った。
おばあちゃんが一人暮らしをする団地の部屋の様子ひとつとっても、説得力がすごい。

冷凍庫で凍ら
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

3.0


なぜだかガス・ヴァン・サントの作品って、いつも高いスコアつけられない。
とってもいいのに、なんか綺麗にまとまりすぎていて、あーいい話だった!って感じで自分の中で完結してしまう、、、

でもひとつ思
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マジカル・ガール(2014年製作の映画)

3.5


先生の悪口を書いたメモが見つかってしまい、「渡しなさい」と言われた女生徒バルバラの予想外のマジックに始まり、突然暗転にタイトルが入る。そして流れ出すあの曲。オープニングから物語世界に引っ張り込むのが
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牡蠣工場(2015年製作の映画)

2.5


事実は小説よりも奇なり、というけど、誰かの日常生活そのものを凝視するという体験はなかなか無いもの。
もちろん日常の中にだって、大なり小なり、思いもかけないような事件が起こる。そういうものもしっかり写
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あの頃ペニー・レインと(2000年製作の映画)

5.0


本当に最高。

姉が自分の愛する音楽を部屋に隠し、「ベッドの下で自由を見つけるのよ」という言葉と共にそれを弟に託して家を飛び出すシーンからもう泣いてしまった...

そうして知ったロックを聴きながら
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キャロル(2015年製作の映画)

3.8


なんて美しい愛の物語だろう。

地味な登場人物が、「人が人に惹かれるのに理由なんてない。ただその人に惹かれるか、惹かれないかのふたつしかないんだ」というようなことを言っていたけど、まさしくキャロルと
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そして、私たちは愛に帰る(2007年製作の映画)

4.0


ドイツの歓楽街で娼婦をする女。
その女を買って惚れ込んでしまう老人。
ドイツで大学教授をするその老人の息子。
イスタンブールで政治活動を行いドイツに亡命する若い女。
その女を匿って深い関係を持つ女子
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サウルの息子(2015年製作の映画)

-


序盤から、今すぐ観るのをやめて映画館から出たくて仕方なかった、、、
毎日大量のユダヤ人をガス室に押し込め、その死体を処理する日々。だけど、死体の中に息子を見つけたら、彼だけはきちんと埋葬したいとどう
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ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

4.0


ものすごい宣伝のうち方だけれど、予想に反して派手さのないシンプルな映画でよかった。
とにかく会話劇だけで140分間観客の緊張感を常にピンと張り続ける演出、脚本は本当にさすが。ときおり分かりやすいユー
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ストレイト・アウタ・コンプトン(2015年製作の映画)

4.0


80年代のアメリカで社会現象になった、ヒップホップグループN.W.A.。
その略称の意味はNiggaz Wit Attitudes。

皮肉だけれど、いつの時代でも、虐げられている人たちのアウトサイ
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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

3.0


宇宙空間での撃ち合いはまるでテレビゲームをしているよう。ゲームの世界のように、名前のないキャラクターがぽこぽこ死んでいく。最後もまさしく、ミッションクリア!!って感じで超すっきり。
ポップなwarだ
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独裁者と小さな孫(2014年製作の映画)

4.5


クーデターによって政権が崩壊し、それまでトップに君臨していた大統領は、懸賞金がかけられ追われる身に。しかも、自国に残されたのは、自分とまだ幼い孫。
宮殿で、高みから煌めく自分の国を見降ろしていた生活
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黄金のアデーレ 名画の帰還(2015年製作の映画)

3.0


ナチス占領下のウィーンからアメリカへと亡命したマリア。
ナチスに奪われた、クリムトが描いた亡き叔母の肖像画を取り戻すため、オーストリア相手に奮闘する。

マリアにとってクリムトの絵画は、美しく幸せな
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孤独な天使たち(2012年製作の映画)

4.0


学校が嫌い、人と話すのが苦手、というより自分は人と違うと思うことで自分を守っているような少年が、スキー合宿に行きたくなくって、こっそり地下室に隠れて1週間を過ごす話。

このスキー合宿も、もともと行
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ウォールフラワー(2012年製作の映画)

4.0

多感な「青春」という一言で片付けるには、あの頃の日々や心は複雑すぎる...

好きな台詞がたくさんあった。
「無限って感じがする」とか、実際に口に出したら恥ずかしいけど、でも、きっと多くの人が経験した
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.0

ほう......


新宿武蔵野館のデジタルリマスター上映にて。

男と女(1966年製作の映画)

3.0

自分の大怪我が原因で妻が自殺してしまった男と、俳優だった夫を撮影中の事故で亡くした女の偶然の出会いから始まるラブロマンス。

クロード・ルルーシュ監督の、前作までの興行失敗でプロダクションが破産寸前だ
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岸辺の旅(2015年製作の映画)

3.5


生の世界と、死の世界には、明確な境界線がある。その境界線を超える手前の岸辺で、わずかな猶予を共有する、生者と死者。
明確な境界線はあれど、誰かを失ってなお生きるということは、かつては確かにその人がい
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黒衣の刺客(2015年製作の映画)

4.0


最初から最後まで、すべてのカットが美そのもの...思わず息を止めてしまう。
中国の大自然を背景に、色鮮やかな服をまとう人々や美しい馬がゆっくりと動く、大きな引きのカットはとりわけ絵画的。
黒や白さえ
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ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界(2012年製作の映画)

3.5


「永遠」の脆さ。
世界も、友情も、愛も、自分の命も。
信じることは愚かだと気付くのは、いつだって裏切られたあと。

『ジンジャーの朝』というタイトルが示すものは、無垢に信じて守られているだけの少女だ
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夏をゆく人々(2014年製作の映画)

3.0


それまでの日常に対する疑問が、じわじわと、さざなみのように心に広がっていく様子が、言葉で多くを語らずとも伝わってくる。

ミツバチの羽音に包まれる瞬間がすごく不思議だった。戻れない少女時代への諦めと
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戦場ぬ止み(2015年製作の映画)

3.5

進む辺野古への米軍基地移設に抗議する人々のドキュメンタリー。

暑い日差しが照りつける沖縄で、必死に声をあげ、車に立ち向かい、道路に寝そべる人々。
彼らにどんなに罵られても、黙って立ちはだかる沖縄県警
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未来をなぞる 写真家・畠山直哉(2015年製作の映画)

2.5


陸前高田の写真展の際のトークショーで「アーティストとして作品に一貫性がないと言われたが、僕はアーティストとして、自分とアートの関わり方ではなく、自分と世界との関わり方を示したい」と、畠山さんがおっし
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