あい

タリーと私の秘密の時間のあいのレビュー・感想・評価

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)
4.0
妊娠中に観たときはピンと来なかったのに、出産を隔てて1ヶ月経ったいまでは、いくつかのシーンを、思い出しては噛み締める。

いつかは一人前になる娘が、今はまだ母親である自分の一部であるということ。
絶え間なく、まるで昨日とは別人のように、日々少しずつ成長していってしまうこと。
 
「単調な毎日が子どもたちへの贈り物」「毎日起きて繰り返し同じことをする。あなたも結婚も家もありきたりなのが最高なのよ」と諭される主人公が、自転車で駆け出しながら絞り出す言葉は「私は怖いのよ」。
 
彼女はなにが、怖かったんだろう。
思い通りにいかない育児?
出産した身体が衰え、お尻が垂れて足が太くなること?
奔放さを失うこと?
愛していたはずの夫と向き合うのが億劫になること?
 
みんなが、当たり前にやってることだと思っていた。
妊婦生活も、出産も、子育ても。
だけど、それは、女性がどれだけ心と身体を張って叶う夢なんだろう。命懸けの単調な毎日の尊さが、今はじめてわかる。
あい

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