あい

僕たちは希望という名の列車に乗ったのあいのレビュー・感想・評価

5.0
なにかを選ぶ、ということはもちろん同時に、なにかを選ばない、ということでもある。

自分の思想や信条、保証されたキャリア、親の期待、家族、生まれ育った故郷、ナチスと戦ったのだというプライド、この映画の中に登場するひとびとはみんな、それぞれに、なにかとなにかを天秤にかける。

けれど、大切にすることと、固執することはちがう。
「固執するひと」が他者にもそれを押し付けてしまうのに対し、「大切にするひと」は、自分と同じように、相手もまたなにかを大切に守ろうとしていることを知っている。

今日手に入れ、今日失ったもの、それはやっぱり「今日」のこと。
信じたものに裏切られることも、正義が反転することも、手放したと思っていたものといつか再会できることも、ある。そんな未来は、予想ができないことだ。

「自分で決めるんだ」と今日の自分の生き方を選べるひと、そして、寂しさをぐっと堪えて彼らを見送るひとたちは、とてもとても、美しいと思った。


ひっさしぶりに、映画館に2回観に行っちゃった。
あい

あい