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ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命のKKのレビュー・感想・評価

3.8
偶然にも『女神の見えざる手』を観たすぐあとに鑑賞
ジェスカ・チャステインが同じ人だとは気付かなかった。女優って凄い

自らも危険をおかしてユダヤ人を救った勇気ある2人の夫妻。
事実としては本当凄いし尊敬できる話なんだが、作品としてはなんだかそこまでハマらなかった。

やはりネックだったのは、戦争やホロコーストの恐ろしさがそこまでなかった所かなぁ。この作品で伝えたかったことは、そこではないと理解しているが、今までかなり辛い描写のホロコースト映画を観たり、実際にどんな事が行われていたのかを調べて、列車に乗った後のことも知ってしまっているため、300人を救ったということを素直に喜べない部分もあった。もちろん、300人を救ったことがどれだけ人々の救いになったかは計り知れないが、辛い描写があまりに少なかったため、逆に多くのことを想像してしまった。
しかし、ホロコーストなど、歴史を知る上ではとても良い映画だと思う。これを見て、少しでも興味を持った人は、他のホロコーストを扱った作品も見てみて欲しいと思う。




やはり、動物が死んでいく姿は見ていて辛い。なんの罪もない動物が無慈悲に殺されていくのはとても辛くて悲しい。
戦争の中でも、動物だけは常に純粋で、その純粋さはウルシュラのような傷ついた人も癒してくれる。


一つだけ、この作品に限らず、自分が許せないことがある。戦争映画のみならず、色んな映画の色んなシーンで、「声を出してはいけない」「外に出てはいけない」っていう場面がある。その時に必ずと言っていいほど子供がふざけたり好奇心からその言いつけを破る。それがほんとにダメ。
その1回の過ちで、それまで周りの人達が命をかけてやってきたことが全て無になるかもしれない。今回もリシュのせいでバレたみたいなとこがあるけど、もしそれで匿っていた人が全員殺されてたらそれこそ一生もんのトラウマを抱えることになると思うんだ。そんなことならどんなことをしてもやっちゃいけないことは徹底させなきゃいけないと思う。
だって、ドイツ兵に傷つけられたウルシュラだったら絶対にそんなことはしないじゃん。なのに、その恐怖を知らないリシュが他人を危険に晒すようなことしちゃだめでしょ。やってしまったあとに後悔しても遅すぎるし、もし殺されたら後悔すらすることができないんだから。
だから基本的に、子供のせいで人が傷つくってシーンが嫌いなんだ。

長々と自分の好みを失礼しました笑
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