ミーハー女子大生

帝一の國のミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

帝一の國(2017年製作の映画)
4.1
若干、女子がキャスト萌えするのを狙ったような作品かな~と思い、スルーも考えたんだけど、観てよかった。

テレビでコメンテーターが言っていたように、生徒会選挙をテーマにしたただのハイスクールコメディに止まらず、その常軌を逸した生徒会選挙は、良くも悪くも実際の国政選挙にも通じるものがあり、本気の中のシニカルさが面白かった。

てっきり主人公の赤場帝一が生徒会長になるための選挙が軸だと思ってました。
だからライバルとなるのは、1学年6組まであるから、6人の若手俳優が演じる濃いキャラたちの戦いだと思ってました。

ところが、うち半分は上級生でそれぞれが支持する上級生の候補者を担ぐという間接的な選挙ってのが、より単純にさせずに良かったと思う。

各陣営の浮き沈みなど選挙ドラマとしても面白かったが、やっぱそのドラマを支えるのは濃い役者と演技だろう。

この作品は、菅田将暉ありきだと思っていた。
人気と実力を兼ね備えた俳優なのは間違いないが、今回のぶっ飛んだ演技は改めて菅田の実力と魅力を高めたなぁ~~
父親を演じる大御所・吉田鋼太郎との刺しでの濃い絡みは、まったく引けを取らず、むしろお互いの濃い演技が相乗効果のように高め合っていた。

外部試験だっけ?あれの点数発表のシーンはスゴかったなぁ~~、笑ったwコントだw

菅田将暉のワントップにしておかないのは、これまた人気若手俳優の野村周平の存在がでかい。
どっちかというと爽やかなイケメンキャラを演じることが多いが、今回は完全に3枚目だ。
あの髪型、あの眼鏡、そしてウザいキレッキレの動きっ!
氷室がいたから完全な悪役という感じではなかったが、最後までいい働きをしてくれた。
もう一人、意外な存在感を見せたのは、爽やか好青年の大鷹弾だ。

惜しいというかよく分からない存在だったのは、帝一の幼馴染&カノジョの白鳥美美子だ。
ここも男性陣に負けないよう旬の永野芽郁をキャスティングしているが、それだけにもうちょっと上手く使ってほしかった。

この作品のプロモで有名なのは、菅田将暉のふんどし姿からのイケメン俳優そろい踏みのふんどし和太鼓だろう。
あれが絶対にクライマックスの見せ場と思いきや、途中でサラっとだったのには驚いた。
展開もそうだが、読めると思わせておいて、意外な展開を見せる。
クライマックスの選挙では、主人公不在でちょっと物足りなくさせておいて、その後のエピローグ的なシーンでしっかりとオチを作る。
巧いな、完全に騙されました。

ストーリー 4
演出 5
音楽 4
印象 3
独創性 5
関心度 4
総合 4.1