ニクガタナ

ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜のニクガタナのレビュー・感想・評価

3.2
東京2020の3日前のお話。公開当時の近未来SF。父と亡き母の夢を巡った陰謀に巻き込まれた女子高生が夢をみる。脚本にこだわり力をかけることで定評のある神山監督のオリジナル脚本なので期待して観たが、現実と夢を交錯させる展開が観づらい上テンポが悪くてなんだか眠い。夢と現実を無理やりリンクさせる為にいびつになった脚本に難がある。主人公を筆頭にキャラの魅力も薄く、ストーリーを展開させるコマでしかない。外しに行った感のあるキャラデザインも好みじゃなかった。主演高畑充希の岡山方言台詞もちょっとひっかかる。なにより夢パートがベタなファンタジーテイストで気恥ずかしくてちょっと観てられない。コミュニティ防衛譚の如く派手に見せてはいるが要はけっこうパーソナルな話で現実パートだけでは地味過ぎるのも確か。この現実パートもそんなバカなな展開なのでたちが悪い。美術畑出身神山監督らしくさすがの美麗背景でレイアウトも凝っており、キャラアニメーションも悪くなかったが、夏休みアニメ映画の出来としては細田、新海に大きく差をつけられた感じで残念。高畑の唄うエンディングの「デイ・ドリーム・ビリーバー」は良かった。母親を亡くしてる田舎の女子高生が、ファンタジーな世界と現実とを行き来する感じがなんか「竜とそばかすの姫」と似てる気がする。
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