Kto

淵に立つのKtoのレビュー・感想・評価

淵に立つ(2016年製作の映画)
4.5

平凡な家族の中に"異物"が入り、徐々に不穏な空気を齎す…この辺りは"ファニーゲーム"っぽい「何気ないタッチで見せるホラー」感がある。

"不穏"を創り出すのが上手い。八坂のなかなか抜けない刑務所の癖(入浴後に服を着ない、不自然に正しい礼儀、正しい姿勢、早すぎる食事、突然の謎ギレ 等)が厭なテンポで繰り出され、観客と同じ様に困惑する母親と我関せずな顔で何も口にしない父親。

ラストで見えた幻想も現実に戻される時に一番辛いタイプのものだし、幕切れの後に音声が残るのも苦い後味。オープニングのオルガンの映像で感じた怖さは間違ってなかったと確認する。

"ユメノ銀河"でもそうだったけど浅野忠信ってこういう役本当に上手い。
Kto

Kto