来夢

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめの来夢のレビュー・感想・評価

3.6
『The Beguiled/
ビガイルド 欲望のめざめ』
ソフィア・コッポラの新作。父コッポラと散々比較され厳しい評価を受けてきた彼女だけれど、それでもやはりコッポラ家の名は伊達じゃない。毎回安定したクオリティで安心して観られるし、父コッポラにはない女性ならではの感性も面白いよね。そして今作でカンヌで女性監督としては56年振り史上2人目の監督賞受賞とのこと。原作は「白い肌の異常な夜」と同じ小説「The Beguiled」。森で拾ってきた敵の負傷兵を女性しかいない学校(っていっても全員で7人だけ)で保護することに。年齢も性格もバラバラな7人の女性(女の子)たちは、いきなりやってきたイケメン(コリン・ファレル)に興味津々。彼女たちの欲望の進む先に待っているのは・・・・・・。
全く異なる7人のキャラクターにたいして、たった1つのターゲットを置くと、それぞれのキャラクターはどう反応するのか。というのが一番の見所。7人いれば欲望のかたちも違うっていうのがなんとも面白い。男が敵兵という恐怖の対象であることもストーリーに緊張感を持たせているし、欲望と恐怖という、戦争の縮図ともとれる組み合わせに、ハッとさせられるところもあった。可愛い、お洒落だけじゃない、娘コッポラの完成系ともいえる映画でした。男性諸君は観終わったあとに誰が好みかって会話に花が咲くでしょう。
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