まめまめちゃん

ブレードランナー 2049のまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
3.7
続編という位置付けの今作は、貧しくて泥臭い近未来から、さらに貧しささえも乏しくて焦燥感漂う先の未来に生きる中での一縷の望み、一筋の光を求めるストーリーのある作品でしたね。前作のファンの方はどうなんだろう?全く違う作品のように感じました。

そんなストーリーならば、KのAIの彼女にすがりつくような孤独、記憶の元を辿る中での絶望、そこから立ち上がる希望をお話の中で表現して欲しかったです。ライアン・ゴズリングの演技頼みではなくて。彼女らのよくわからない愛情表現の妙な尺は不要ですわ。彼が只管ボロボロになる中で、どう考えても好き勝手やってきたデッカード爺さんがレジェンド枠なのも解せなかったりしてね。

やたらと美しい画角のPVを延々見せられたような気分です。ロジャー・ディーキンス撮影だと遠景は素敵なんですが、この映画にはぐちゃぐちゃの町の汚れた近景にも期待してる訳で。地球というより別の星を見てる気分でした。背景が雨から雪に変わるだけでも映像表現は随分変わるものなんですね。