みりお

パーソナル・ショッパーのみりおのネタバレレビュー・内容・結末

パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

飽きっぽい私が、クリステンは観れば観るほどハマっていくので、彼女の魅力は本物ではないかと思い始めた祝祭第5弾🌙✨

これは難解でございました‼️
わからない!ほんっとーにわからない!!
だからとことん考えてみた!

まず大前提。
主人公はクリステン演じるモウリーン。
特筆すべきことは二点。

①仕事は、有名女優のパーソナル・ショッパー(買物代行)。
買い物に行く暇すらないワガママ女優の代わりに、ヨーロッパ中を飛び回ってハイブランドを渡り歩く。
慣れたように入店するし店員と顔パス状態だけど、彼女自身はノーメイクにダサめのセーターにスニーカー👟
表情に出さないようにはしているものの、美しいドレスやアクセサリーを見て回るのは楽しそう。
でも雇い主から、決して試着するなと言われているので、憧れのドレスは遠い存在。

②モウリーンは双子の兄を喪ったばかり。
2人とも霊感が強く霊媒師をしていたので、どちらかが先に亡くなった時は、残されたほうに「何かわかるようなサイン」を送ろうと約束したため、兄からのサインを待ち続けている。
夜は兄が住んでいた家に陣取り、兄からのサインを待つ日々。

つまりモウリーンは昼と夜、全く違う世界に身を置いているということですね。
個人的な印象ですが、「着飾る」とか「物欲」とかって生の象徴だなぁと思っています(歳を重ねて死が近づくと、段々派手に着飾るのをやめていくのが通例だから)。
だからモウリーンは昼と夜で「生」と「死」の世界を行ったり来たりしているのではないでしょうか。
年頃の女の子らしく着飾ることに興味はあっても、兄ともう一度話がしたいという想いゆえに、死に近づくために自らの物欲や美しい衣装を遠ざけているように見えました。
だから彼女の「禁じられたことをやることが怖い」という衝動は、"雇い主に怒られるから怖い"のではなく、"愛する兄に会えなくなる気がするから怖い"んです。

そう考えると、モウリーンが終始、兄の姿に囚われて、兄は自分がサインに気付いてあげられないせいで、どこにも居場所がないのではないかと恐れている様子がよくわかる。
(それはラストの"見えない何か"との会話にもよくあらわれています)

さぁ一方モウリーンは、ある事件に巻き込まれていきます。
「お前を知っている」と言って送られてくる差出人不明のメッセージ。
雇い主の突然の死。
自分に着せられる濡れ衣。
メッセージの送信者が家まで訪ねてきて、ホテルの部屋に来いと指定されます。
しかしそこからが不思議。
モウリーンが指定された部屋を訪ねると、そこには誰もいない。
しばらくして画面が映し出すのは、ホテルのロビーのエレベーターだが、到着のチャイムが鳴り、エレベーターの扉が開くが、そこに人の姿は無い。
まるでそこに透明人間が歩いているかのよう…
そしてその後、画面は再び同じエレベーターを映すのですが、それはなんと雇い主の愛人。
彼はホテルの自動ドアを出た瞬間、張り込んでいた警察に取り抑えられそうになり、逃亡する。

つまりこれは、モウリーンの周囲で起きた事件の犯人が愛人であり、それを精神的に不安定なモウリーンの仕業だと押し付ようとしていたのだということを示しています。
ここまで観ると、視聴者はモウリーンが兄の霊によって守られていること、兄がモウリーンのすぐ側にいることに気付くのですが、先ほど述べたようにモウリーンは、兄に気づけない自分のせいで兄がこの世に縛りつけられていると、自分を責め続けています。
その2人が、終盤ようやく対峙する場面…
結局のところ結論は出ません。
兄の回答も釈然としないし、モウリーンの涙は、兄との思い出を消化した涙なのか、恐怖の涙なのか、わからないまま…
そこで画面が白転して、この作品は終わります。

好き嫌い分かれるだろうなぁ〜😂💦
みりおは嫌いじゃないです。
視聴者の判断に委ねる系の作品が、年齢と共に好きになってきたので、モウリーンに兄の想いは伝わったはず。
彼女の今後が幸せに包まれていてほしいと、穏やかに考えてしまいました✨


【ストーリー】

パリで、多忙な有名人の買い物を代行する"パーソナル・ショッパー"として働くモウリーン(クリステン・スチュワート)は、数か月前に双子の兄を亡くし悲しみに暮れていた。
そんな折、携帯電話におかしなメッセージが届き…


【キャスト・スタッフ】

*監督:オリヴィエ・アサヤス

フランス出身🇫🇷
1970年代から映画批評家としていくつかの雑誌に執筆し、のちに映画作家となったそうです✨
1986年『無秩序』で監督デビュー🌟
本作は第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で監督賞を受賞したそうです✨
その他の出演作は『アクトレス〜女たちの舞台〜』など。


*モウリーン:クリステン・スチュワート

ボーイッシュなカッコがひたすら多い本作…カッコよすぎて死ぬかと思った🙈💖
それだけでも素敵なのに、後半めちゃくちゃおしゃれやドレスやハイヒールを纏ったクリステンは、この世のものとは思えない美しさとオーラでしたわ✨
そしてなんとこの作品、クリステンのパイオツがかなり頻繁に映されるという…😆💦
女なのになんかドキドキしちゃったよ❣️
それくらい綺麗だわ、クリステン🤤💖💖
みりお

みりお