さかい

わたしは、ダニエル・ブレイクのさかいのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

私はダニエルブレイク。怠け者でも物乞いでもない。国民番号でもない。今までちゃんと税金を払ってきたし、それを誇りに思っている



貧困に題材をとった作品は数多いけれど
だいたい家族やご近所の助け合いを賛美したりとか、知恵とガッツで逆転とか。
結局なにが悪いのかという話はしない。
本作はそこガンガン攻める。国が悪い・国が作ったシステムが悪いとキッパリ主張する。すばらしい。

格差社会というのはどこの国にもあるけど
こんな話、中国で作ればトーキョクにしょっぴかれる。
日本なら…きっとスポンサーにも観客にも嫌われる。「国が悪い」「社会が悪い」はNG。
「医者に止められたならその医者から役所に説明させればいい・対応が不満でも職員に暴言はよくない・きょうびスマホぐらい使えないといけない、努力してない
だから、ナマポのダニエルブレイクが死んだのは“自己責任”だ」…。
どうせこんな感じじゃないか


老後2000万。それはいま60歳のひとの老後だ
これだけ何でもかんでも値上がりして、
自分が老人になるとき、同じ2000万のはずがない
ダニエルブレイクと同じ歳になったとき、「老後2000万」は何千万になっている…?

「他人ごとと思ってはいけないと思いました」なんて
子供の感想文じゃない。
くるぶしからふくらはぎ、次は膝…。まだ息はできるけど、「水位」は確かに上がってきてる
さかい

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