先日、NHKだったと思いますが、ケン・ローチ監督と是枝監督の対談が放送されていました。
是枝監督もその中で話されていましたが、この映画のフードバンクのシーンは、観ていて特に胸が締め付けられるものでした。
この映画は決して、他所の国のお話ではないのだと思います。
たとえば、この作品で描かれたのは、“イギリスの”福祉制度についてです。
正直言って、僕はイギリスの福祉制度について等全く知りませんでした。
映画を多く観始めてからこのような経験をたくさんしている気がします。
僕は何も知らないのだとその度に気付かされる。
映画『万引き家族』だって、日本のそういう部分を描いていたし、映画『存在のない子供たち』でもハッとさせられました。
先日、用があって市役所に行った時、“戸籍に記載されていない方へ”というポスターが張ってあるのを見て、あらためてこの映画も、これまで観てきた映画も他人事ではないのだなとあらためて思ったりもしました。
映画の内容に戻ります。
この映画は、内容もさることながら伝え方も非常に巧いと感じました。
雰囲気の出し方、描き方自体が巧い。
決して押し付けがましくもありません。
最後にとある台詞をご紹介します。
“わたしはダニエル・ブレイク。一人の市民だ。それ以上でも以下でもない”
この台詞が僕にはとても刺さりました。
ご覧になられたことのない方には是非観て頂きたいです。