福祉の在り方とか、必要とされている事とのズレとかを、なんとなく遠目に見るだけの多くの人にもわからせてくれる作品だと思う。
真面目に生きてきた職人気質の主人公が、高齢になって避けられない不運、妻の死、自らの病等によって、理解し難い程の状況の暗転に見舞われる様子がとてもリアルだ。
不機嫌さを表に出してしまうことや、ネットに対応できないことなど、落ち度はあるにせよ、ほんの少し手助けしあえる人がいたら、本人だってもっと頑張れるのに的な、やりきれない気持ちを見ているこちらも味わう。
ダニエルがシングルマザーの家庭に肩入れしたように、自分も出来ることはしよう!なんて思ってしまう。
そういう風にこちらの気持ちを動かしてくれる監督、やっぱ凄い。