美由紀

パラサイト 半地下の家族の美由紀のネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

リアルとファンタジーがmix

別の韓国ドラマで犯罪サスペンスとラブコメがmixされているのを見て心底びっくりした。mixはお得意なお国柄なのかも。

でも、海外の人から見たら有り得ないと思われそうな万引家族をファンタジーとは思わなかったから、実はどうなのだかよくわからないけど。

まず半地下の住居、南北問題時代に住居にも作られていた地下シェルターなど、知らなかったけど韓国にある事実に先制パンチくらってしまう。開始3分位で半地下での一家の暮らしと彼らの人物像を理解させてくる。

雑多な下町的繁華街の足下を見上げる窓の風景、そこにかかる洗濯物、有り得ないトイレの位置、アジアの貧困家庭お馴染みの散らかり具合、いい加減な父、元メダリストらしいのにだらしない母、父に敬語(韓国文化?)の温厚で実直そうな息子、兄と違って抜け目ない感のある妹。うわ〜ってなる。

そして大事なテーマ匂いについて、子どもが気づいたり、運転席から後部座席に来る匂いが気になってしまう描写があるのに、その家族4人が室内で酒盛りして、お酒を盛大にこぼしたのにも気づかないで、ついさっきまで彼らが寝転んでたソファーを使うなんて有り得ない。そこはちょっといただけなかった。しかしその後の展開はもうファンタジーを超えて一気にアニメ?になるから気にする方がまちがっているかもしれない。  

浦島太郎が竜宮城から帰る的に、豪邸から自宅へ逃げ帰るシーンで、そんなに下る?って言う位坂と言わず階段と言わず降りる降りる。印象的な階段の場面はジョーカーにもあったなと思い出した。

お父さん役のソン・ガンホって主役って言うほど出てたっけ?って言う量だけど、よくよく考えると肝的なシーン、セリフを担っていてやっぱ主役。どの作品見ても凄い人だと思わせられる俳優さん。

『家族をおもうとき』『リチャード・ジュエル』でも共通だが、そこでもっとちゃんと考えないと!って言う所をスルーしてしまうと自分を危機に追い込むことを思い知らされる。他人事としてみると、チキンで足りずにカステラもか!とか、ピザの箱内職もキチンとやらないで他の仕事につけないだろう...的な。でも、自分を振り返ると同じようなことやってしまいそうな気もする。

気づきや感想をたくさん話したくなる、そりゃ賞も取るわと言う作品だが、心身ともに弱ってる時には見ない方が良いかな?
美由紀

美由紀