いずみたつや

お嬢さんのいずみたつやのレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
-
予測不能の話がもたらす驚きと感動!

ただの変態映画と見くびってはいけません。というかただの変態映画というだけでも一見の価値があるのに、この映画はさらにコメディ、サスペンス、恋愛、暴力、エロ…とすべてが詰まった極上のエンタメ作品なんです。

まず、配役が絶妙です。キム・ミニエロいなあ。いやいやハ・ジョンウのクズっぽさも良い。しかし、中でもキム・テリのコメディエンヌっぷりの貢献度は非常に高いと思います。

さらに衣装・美術・劇伴の美しさも秀逸。劇伴は僕の大好きな『イミテーション・ゲーム』の音楽を思い出させるような、サスペンスフルかつドラマチックな旋律が印象的で、何度聴いても目が潤んでしまうほどです。

三部構成のストーリーも文句のつけようがなく、次から次へと興奮の展開が続きます。二部で、ある人がある人の"救世主"になるシーンでは、不意に胸を震わせるようなカタルシスが押し寄せ、本当に本当に大げさでなく涙が出ました。

二部までの満足度があまりに高いので、三部は冗長になりそうなものですが、ここからがパク・チャヌクの真骨頂。さらに斜め上を行く展開には感服しました。

観終わってだいぶ経ったんですが、いまだに興奮が収まらず全然文章がまとまりません。言いたいことはつまり傑作ということです!