ヤマノヒ

闇金ウシジマくん Part3のヤマノヒのレビュー・感想・評価

闇金ウシジマくん Part3(2016年製作の映画)
3.2
 お金は人を狂わせる。鑑賞後に「お金って恐ろしい!」「お金を大切にしよう!」「マルチ商法なんかに騙されないぞ」となるのはいつもの『ウシジマくん』。

 今回の『ウシジマくん』で注目したいのは、「役者じゃないゲスト」の演技だ。

 普段アイドルの最上もがちゃんは、天然で可愛らしい。普段のもがちゃんより、ぶりっ子要素を強く感じた。

 オリエンタルラジオのPERCENT HUMANじゃない方こと藤森さんは、芸風のチャラさを残しつつ、シリアスな雰囲気を醸し出す。

 普段はミュージシャンの浜野さんは、この映画のために体型を変えたのかと疑うほど。スーパーメソッドのポーズが印象的。絶妙に胡散臭く、鼻につく。
 浜野さんが演じる役は「ダメだけど憎めない」が多かったが、天生にもその片鱗を見た。

 藤森さんも浜野さんも、劇中では最低な人間だ。しかし脚本は彼らを見捨てないし、私もなんだか情が湧いてしまう。
 それは、「本業をしている彼ら」を知っているからだろう。「俳優」には起こせない、新しい風だ。

 「演じている人を観るための映画」と言えばそれまでかもしれない。しかし「誰が、誰を、演じているのか/演じさせているのか」を考えながら観ると、大変興味深い作品だった。
ヤマノヒ

ヤマノヒ