ゆっこ

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のゆっこのレビュー・感想・評価

4.5
初めてペニーワイズに出会ったあの時の恐怖を超えることは出来なくとも、2代目負け犬クラブ達の活躍はオリジナルにちっとも負けていなかった。
どの子もしっかり魅力的に描かれていて、あの頃感じたジュブナイル物としてのこの映画の良さを失わずにいてくれた事が何より嬉しかったです。
あの時代、大人達は大人達で闇を抱えていて。子供達はペニーワイズを通してそんな世界とも闘っていく。
ラストで弟の形見を抱きしめて泣くビルを全員で抱きしめるシーンは良かったです。

ただ…ラストで子供達がペニーワイズをバールのようなもので代わる代わるボコボコ殴るシーンがなんだかとても「暴力的」で、それが少し悲しかったです。対モンスターの戦いというより、物理のあるものへの暴力に見えちゃって。不良のリーダー・ヘンリーが父親にすることや、そのラストの子供達の様子は、この時代にこの子達も確かに蝕まれ、だからこそペニーワイズはこの街にいるのかな…と暗い影を落としているように感じました。まぁ、今の時代の映画でイヤリングをスリングショットで撃ち込むんじゃ物足りないと言われるんだろうね。可愛すぎてw
ペニーワイズは「怖がらせるぞ!」が前面に出すぎてしまっていて、もう少し普通のピエロでも良かったかなという印象。
怖さはお化け屋敷のような「驚かせ」が多く、あまりタメもなく素直に出てくるのでそのうち慣れてしまう。ただ、そんな風に身構えすぎず見れるからか、後半に会場から笑いが起きるシーンがあって、「みんな楽しんでるな!」となんだか嬉しくなりましたw
「かわいい子供」というキャラクターたちが活躍する以上、前半はそこまで外してこないと思ってはいたけど、ここから後半どうしてくるのでしょうかね。楽しみです。
ゆっこ

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