J四郎

LOGAN ローガンのJ四郎のレビュー・感想・評価

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
4.6
ヒュー・ジャックマンがウルヴァリンを演じる最後の作品。
という事で、これは鑑賞せねばと観て来ました。
X-MENシリーズのスピンオフは普段、劇場では観ないけど
これは観に行って正解だった。
パトリック・スチュワートも今作でチャールズ役
が最後というのも寂しいもんですな。

今回はR15という事で冒頭から容赦ないバイオレンスシーンで
始まってしまう。
R指定の恩恵(?)もあって、ローガンも汚い言葉を連発してくれる。
血まみれでハートウォーミングなロードムービーってとこか。

時代は2029年。 干支が一回りした未来だけど変に未来っぽい描写は少ない。遺伝子操作と義手のテクノロジーだけはえらく進んでいるよーだが。
ローガンもチャールズも老化が進んでいて、敵さんの言うように落ちぶれてしまって胸が痛いって状態。
ローガンが老眼鏡をかけて・・なんてダジャレにもならん状態が泣ける。
自分自身も若い頃の勢いが無くなって来てるんで、ココは切ないもんがあるねぇ。

作品のトーンはこれまでのシリーズとは全然違い、実に渋い。
が、人によってはめっちゃ地味で違和感あるかも?
ハードボイルドな世界観でマーベルよりどっちかっていうとDCに近いんかねぇ。
というより劇中で”ある作品”が流れるように西部劇か?
流石はR指定でお子ちゃまを排除しただけはある。
いつものアメコミヒーロー物を求めて行くと面喰らいまっせ。
もちろんこれまでのX-MENシリーズともトーンが全然違う。

その渋い雰囲気からアクションになると一変、ルール無用の残虐ファイトが繰り広げられる。
まあ、確かにグロい部分もあるけど変にスプラッターにしてないので、デッドプールあたりで大丈夫なら全然いけます。
アクションも工夫されていて中々面白かった。
ハードでシビアな内容なので、いつ誰が死んでもおかしくない。
そういう緊迫感に溢れております。

敵側も腕がサイボーグのアンちゃんが存在感を出している。
でも、コイツが最後の相手ってちょい弱いんちゃう?
・・と思っていると後半、思わぬ隠し玉が出てきた。
弱った体でこんなヤツにどう勝つんやろ?という興味と緊迫感がある。

ただ、先ほど書いたように今までのX-MENシリーズとは全くトーンが
違うので好みの分かれる作品なのかも。
僕が10代の頃にコレを観たら、こんなん観たかったんちゃう!
と思ったろうし。
オッサンになったから分かって来て感動した部分もある。
ローガンもチャールズもロートルどころじゃない劣化ぶりだしな。
(しかし、それでも中身は変わってないカッコ良さは見せてくれる)

あと、劇中にX-MENのコミックが出てくるメタ的な要素も印象深い。
けどな~、こういうのも好き嫌いが分かれそうなんよな~。
それぞれの結末も賛否が分かれそう。

今回、スコア4.5を付けてるけどこのシリーズを17年も観て来たから
その補正と思い入れから加点している部分があります。
これからもウルヴァリンは人気キャラだけに他のキャストで出てくる可能性は大だけど。
・・これでヒュー・ジャックマンのウルヴァリンも見納めか。

あ、それと今回はエンドロール後のオマケ映像はありません。
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