X-メンのキャラクター「ウルヴァリン」を主人公とした映画作品スピンオフシリーズの第3弾。この作品はマーベルのヒーローものとは思えないほど人間味溢れる演出。
設定的には2029年テキサス州を舞台に25年間で新たなミュータントは生まれておらず、彼らの存在は絶滅の危機に瀕している。ウルヴァリンことローガンは治癒能力の遷延などかつての不死身さはなく、リムジン運転手として生計立てている。少女ミュータントローラの登場などヒーローのその後として観易い世界を作ってきた印象だ。
荒廃した土地をバックに独特の近未来を描いた映像美。音楽はジョニー・キャッシュのテーマ曲もよく合っているが、カントリーやフォークにブルースと言ったアメリカのクラシカルなポップスが、ミュータントなのに味のある親父を感じさせるような世界観を演出していて楽しい。
ストーリーはわりと普通だけどムードをたっぷりと楽しむ作品になっていると思う。X-メンシリーズ一応全て観て来てウルヴァリンが特に好きと言うわけでもない。スピンオフの前2作品もあまりハマれなかった自分にとっては、このムードは新鮮でかなり楽しめたように思う。しかしヒーローものとしては好きな演出とは言い難い・・・・複雑(笑)