MARUKO

ハクソー・リッジのMARUKOのネタバレレビュー・内容・結末

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

まっすぐな、ただただまっすぐな映画だった。あんな人が本当にいたなんて信じられない。信念はあんなにも人を強くするものなのか。
鑑賞中いつの間にか手に力が入っていた。

過去の過ちや家庭環境、さまざまなものが重なって強い信仰心をいだく。もう彼にとっては理屈じゃないんだろう。
ただ信じてる、それだけ。
映画では美化されているからすんなり受け入れられた。しかしもし自分が周りの人間だったら、戦争という状況においてはっきりいって頭がおかしなヤツに見えるだろう。なんでそこまでして?もうやめて、もういいよ…何度もおもった。
除隊させようとしたのに、折れたのは彼ではなく周りだった。それほどまでに強い彼の信念はもう認めざるを得ない。隊員の表情にもそれがうかがえた。

血の気が引いて気分が悪くなった(誉め言葉)。
戦闘シーンが凄まじすぎて、耐えられなくて。
音が特にすごくて、音に酔った感覚というかなんというか圧倒された。先発部隊が運ばれる様子、黒く汚れた顔の中に白く死んだ目。訴えかけてくる。それを見て恐怖と驚きを隠せない隊員。印象が強すぎる。バンッで人がコロリと亡くなっていく様子が生々しくて、こんなことが正当化されていたのかと恐ろしかった。
"長い、長いよ"と思ったが兵士たちも同じ思いだったんだろうな。あれだけのことをした彼だが、まだ戦争は終わってないともう一度崖に繰り出すよう言われたときは、現実を突きつけられた気持ちになった。日本側の描写もしっかりあったのはとてもよかった。

はっきりいってそこら辺のR指定レベルにグロテスクなんだけど、R指定されないのは見るべきだから。戦争の恐ろしさは今伝えるべき。怖かったけど見て良かった。
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