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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャーのnihoのレビュー・感想・評価

3.9
創作という行為は、祈りの側面を持つ。でもそれは自分に向けた祈りー自分が救われたいという願望なのではないか。

サリンジャーの代表作「キャッチャーインザライ」の主人公、ホールデンにサリンジャー自身が投影されているのであれば、ホールデンのなりたいものは「ライ麦畑の捕まえ手」だけど、「ライ麦畑でつかまえて」ほしいのは彼自身だったことも、よくわかる。

そして、例え自身へであっても、誰かのためだけにつくられた物語は、ときに多くの人が愛する物語になる。
ひとりぼっちの自分が言葉にできないものを代弁してくれるサリンジャーに傾倒するファンがキモく描かれていて、よかった。よくないんだけど。

わたしはサリンジャー作品が好きなので細かい演出も楽しめましたが、サリンジャー読んだことなくても「創作すること(創作と向き合うこと)」に興味ある人におすすめします。

ケヴィンスペイシーがやはりいい味出してたんだけど、もうスクリーンでは観られないのかなあ
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