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リリイ・シュシュのすべてのnihoのネタバレレビュー・内容・結末

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

(はちゃめちゃ大学生のときに書いてたブログからコピペ供養シリーズ)

夏って自転車の二人乗りして意味もなく叫んだりしたくなるんだけど、わたしは中学校から電車通学だったので友達と田んぼ道を走った思い出が無い。この気持ちはどこから。

わたしの見たいくつかのレビューがこの話に似た出来事ことが現実にあるという意味で「リアル」という言葉を使っていたけれど、それよりは子どもたちの会話や振る舞いが演技っぽくないとか、現実世界をほぼ「捨てて」バーチャルな世界の繋がりに比重を置いたり、その繋がりに大きい意味を見出そうとしている所が「リアル」だなあって思った。

雄一がリリイのポスターを背負って持って帰るところ、あと「最近男がお客さんにしか見えないんだよね」の津田の背伸びしてる感じ、合唱のときの目配せ、久野さんの登校時の涙、なんせ津田がとてもよかった。
そしてあの女の先生(の演技)は一体。大沢たかおは何……

ヘッドフォンをして音楽を聞いているだけでは世界は変わらないし、本や映画も然りで、寄りかかってしまったら倒れるだけだ。
わたしもよくするけど、助けて、助けてって思いながら本を読んだり映画を観ているだけで、わたしの求める答えに辿りつくのかというと、少し違うのでしょう。
そのメディアに触れた自分が、自分を救っていくしかないんだろうな。

ただ雄一がヘッドフォンを外したからといって、そこに何が待っているかというと、やはり地獄だよね。

津田の明るさでも、久野さんの強さでも立ち向かえない闇があって、というか14歳の一人の子どもが立ち向かうには深すぎるもので、しかしその闇の中心にいるのもまた14歳の星野であり、彼自身ですらその大きすぎる闇をどう扱ってよいのかわからない。

許されないことをしていても、死ななければならない子どもなんてさ。いないでしょう。
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