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マイ・ボディガード/燃える男のhoteltokyoのレビュー・感想・評価

3.2
スコット・グレン演じる元CIAの凄腕、クリーシーは、過去の悲惨な任務でアルコール中毒になっていた。彼の体を心配した友人のデヴィットは子供の護衛を依頼する。当時のイタリアでは富裕層は子供にボディーガードをつける習わしがあった。それほどまでに治安の悪化が懸念されていた。思春期のサムはクリーシーに様々な質問をしようとするが、当初冷たく接していたクリーシーも次第に心を開き始める。そんな最中帰宅中のクリーシーの車にマフィアが迫り、サムが誘拐されてしまう・・的な物語。

いともあっけなく依頼主の子供を誘拐されてしまうクリーシーに「本当に元CIAなのか?」という疑問が浮かぶも1987年の映画によくある「こまかいことは気にするな」という雑味を堪能することができる。以前グッチ裕三が何かの料理番組で「雑味はうまみなんだ」と言い放ったように、1人の男が少女との絆のために復讐の灯火を絶やし、1人また1人とマフィアを追い詰めるハードボイルな描写が、その雑味と相交わって良い”出汁”をだしている。まさに『Man On Fire(燃える男)』というタイトル通り。将来の進路に迷った人がいたならば、まずはハードボイルを目指せと本作をおすすめしたくなる仕上がりだ。

尋問でマフィアを追い詰めるクリーシーは、まるで缶コーヒーのキリンファイアのようにビターでコク深めな男なのであった。
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