しゅんすけ

鋼の錬金術師のしゅんすけのレビュー・感想・評価

鋼の錬金術師(2017年製作の映画)
1.3
「鋼の錬金術師」(12月4日鑑賞)

【良かった点】
・強いていうならアルフォンスの質感
・ホークアイかわいい

【悪かった点】
・オープニングの子役
・動きのない棒立ちアクション
・おおげさな演技
・グラトニー、遅すぎじゃない?
・あらゆるキャラがお前は何をしたいんだという行動
・ホークアイって狙撃手なんだよね? 全然狙撃シーンない・・・
・豪華キャスト陣・・・監督の演技指導とか何もなかったのでは?

今年観た映画ではワーストかもしれません。
いや、ずっと心の中ではツッコミをいれてたので鑑賞中は寝なかった。
でも、終始画面から漂う「コレジャナイ」感がすごい。
今年は「ジョジョ」実写化も結構酷評は多かったと思うのですが、あれは原作がもともとかなり歪な漫画だと思うし、ああいうオーバーアクトはまだ受け入れられたのですが、「ハガレン」は変わった、歪な、クセがすごい漫画という認識がなかったので、とにかく本作における大げさな演技がきつかった。(特に、子役や村人たちエキストラと本田翼)
ストーリーを追うと、ちゃんとエグい部分は伝わってきました。
でも、キャラクターたちが何をしたいのかわからない。
小日向文世、國村準、大泉洋の無駄遣いもいいところです。
あと、原作未読の自分にとっては国家錬金術師とかどういう存在なのか全く説明がないのも世界観に没入できなかった一因なのかもしれません。尺はとらなくて、ナレーションでもいいからそこは説明がほしかった。

でも、一番がっかりしたのはアクション面。
何も動きがない。棒立ちのままのやりあい。昔のファミコンかよ。
クライマックスのマスタング大佐とホムンクルスのやりあいは、動画サイトでアニメ版を観たら、忠実に構図など再現されているんだなーと納得しました。でも、実写となるととにかく棒立ちで動きがないのがキツイ。アクション映画なのに、肉体が死んでます。
曽利監督は、「ピンポン」「あしたのジョー」を監督してますが、共通点は、卓球とボクシングという1対1の戦いですよね。ハガレンもその部分は共通しているのですが、今回はマスタング大佐とホムンクルスのラストがやりあっている後ろに、エドやらアルやらエンヴィーやらウィンリィがいるわけで背景の人物が棒立ちしているのがはっきり見えてすごく萎える。いや、お前らも戦えよ。もっともっと連携プレイとか見せてくれ。映画にするんだったら、そのくらいの原作無視はいいと思うんです。

漫画を実写化すること自体には反対しません。
それは、世界中の映画状況をみても同じ流れだから。
ハリウッドはもちろん、例えばフランス映画も「アデル、ブルーは熱い色」(2014年日本公開)とかリュック・ベッソンの新作「ヴァレリアン」もコミック原作だし。
でも、実写化するのであればもっと思い切った冒険・挑戦をしてほしいなーと痛感させられた一作でした。