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オグンのお守りのryosukeのレビュー・感想・評価

オグンのお守り(1975年製作の映画)
3.8
盲人がボコられた後に物語を要求され、彼がタイトルを口にした瞬間本編に入る。変な導入。ファーストシーンから鳴り響いている熱量の大きいパーカッションの劇伴に引っ張られて進んでいく物語は、全編に渡ってハイテンション具合が楽しい。
同日に見た「リオ40度」「乾いた人生」とは打って変わって、キビキビとした省略編集による軽いタッチの娯楽作品に仕上がっていた。
ダイナミックな感情表現と笑顔が素敵なヒロインが魅力的なのも大きい。
司祭の神秘的な力がボスに感染するシーンの叫びは熱演すぎて笑っちゃう。次のシーンでは即正気に戻っているので、演技だったのかこの世界ではこういうものなのか。
ウンバンダというブラジルの民間信仰の様相が見られるのも興味深い。
深みが出るようなものでもないアホ話にしてはちょっと長いとは思ったが、ガキ集団を動員した戦争、呪術で肝硬変を引き起こそうとする男など愉快なアイデアもあり楽しめた。
主人公が母を殺されたと聞かされ駆け出してから即ボス家の床から登場するスピード感に圧倒される。分身したボスの異様なテンションも素敵。
母親が生きていたのならなぜ出血したのかという問題は、海からの飛び出しエンド見てたらどうでもよくなった。盲人の正体は正直読めたけど綺麗な締め?なのか?
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