KnightsofOdessa

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

2.5
[マイノリティを殺しまくって結局ホワイトウォッシュ…ディズニーの薄っぺらさが露呈しとるぞ] 60点

私は「スター・ウォーズ」シリーズが大好きだ。特に旧三部作の熱狂的信者でディズニーのフランチャイズには極めて否定的。今回は周りの反対を押し切って終了間際に駆け込んだが、結果は想像以上に陰惨たるものだった。

本作品は演技や暗い画面など色々指摘されている側面はあるが、そんなの吹っ飛ばすくらい脚本が酷い。というか、演技はそんな酷くないぞ。

①マイノリティ
ディズニーは最近"マイノリティの権利"や"多様性"みたいなのに五月蝿い。予告編をやっていた「シュガー・ラッシュ・オンライン」では"自立した女こそプリンセスよ!"みたいなメッセージをストレートで私の顔に投げつけてきて、正直ゲンナリした。そういうのはサラリとやってのけてそこ真のクリエイターで、露骨に言わせるのはもっての他。脚本のダサさ及び脚本家のセンスのなさが滲み出る。

本作品では多くの女性、黒人、別種族、ドロイドキャラが"ホワイトウォッシュはいけないよね"と一杯出てくる。なのに一瞬で殺しまくり、結局残るのは白人だけだ。チューバッカ?ランド?それは「新たなる希望」以降に出てくるからでしょ?
しかも、ドロイドの権利を訴えていたドロイドも殺しちゃう。なに"彼女はファルコンの一部になった"ってセンチに流そうとしてんだよ。メッセージ性の強いキャラ持ってきたんだったら最後まで描き切れよ。

結局ディズニーの言う"多様性"とはこの程度であり、所詮は"流行"に乗ってるだけ。ベケットの言う"生き残る"ための手段でしかない。ナメんなよ、まったく。


②ハン・ソロ
物語を通して主人公があんまり成長しないのは登場時点で既に「新たなる希望」のハンソロに近いからなのはまぁいい。でも、それによって別の部分の弱さが露呈する。終始女の尻追っかけて結局捕まえられないのは"私は何を見せられている?"という気分にさせ、彼の最大の成長は"失恋"であることを気付かされる。
ディズニーはスターウォーズ伝説の破壊にご執心のようだが、そんなの興味ないし、私が見たいのは"伝説"そのものなんだよ。


③キーラ
邪魔。本当に邪魔でしかない。彼女のせいでソロが"持ち前の機転と度胸でハッタリかましてる"のか"女の前でイキッている"のか不明瞭になるし、なにより「新たなる希望」に登場しない人物は殺しまくってるのに彼女一人だけ生き延びるのは訳が分からない。
クラークのファムファタール感は好ましいが、彼女のプロットを説明するなら別のこと説明したほうがいいよ。てか、主人公ハンソロでしょ、自立した女の話とか別の機会にやってよ。


④ベケット
恋人死んでからの立ち直りが早いのは置いといて、ハンソロの持つ"ウエスタン性"の父親であり師範。二丁拳銃クルクルは超かっこよかったけど、見せ場がカメラ的に見えにくかったのは残念。最後の死に方もイケてない。


⑤ダースモール
実写で初めて「クローン・ウォーズ」からの引用だけど、種類が一杯ありすぎて正史にしたくない私にしてみればムカつく要因の一つ。「007/スペクター」もそうだけど、続編作りやすくするラストみたいなの好きじゃない。潔く終われ。


そもそも70年代的価値観の中生まれた作品を現代の視点で作ろうとするから多重事故を起こす。つまり、今の時代にやるべきなのはリブートであって続編や前日譚ではないし、スターウォーズのリブートやるならその会社ポプ子に破壊してもらうよ。余計なことはしないでいい、個人の想像力の方が他人の創造力より上だから。

追記
でもスターウォーズシリーズだから10点くらい甘めに付けてしまう私がいる。こういう馬鹿がいるからディズニーはフランチャイズを止めないし、稼いだ作品の勝ちみたいな風潮になっちゃうんだよ。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa