Jun潤

忍びの国のJun潤のレビュー・感想・評価

忍びの国(2017年製作の映画)
3.5
2019.09.11

DVDにて視聴です。
あまり忍者ものや歴史物は見ないのですが、主演が大野くんでしたし、アクションがすごいという話は聞いていたので見ました。

今作は伊賀の国目線というよりは他国から来たお国や、弟が殺されても誰も悼まないことに辟易した平兵衛、そして織田軍から見た人でなしの集団というような見せ方だったと思います。
そして中盤の戦シーンは、純粋なアクションではなく、早送りやスローモーション、ストップモーションにカメラロールなどを多用したこれまでにあまり見ないようなアクションシーンになっていました。
そして公開前から評判になっていた終盤の無門と平兵衛の「川」は静かな雰囲気の中で凄まじさもありつつ、人でなしの代表としての無門、人でなしであること捨てた平兵衛という構図から切なさもありました。

戦の後には無門が自分を利用した十二家評定衆を襲撃した結果お国が撃たれ、その後織田軍によって伊賀の国は滅ぼされるというなんとも言えない結末になっていました。
最後の大善のセリフから、タイトルの「忍びの国」というのは、「己の欲望のためだけに生き、他人のことなど歯牙にも掛けない虎狼の族」の血が天下に散っていった、現代の日本のことだという描写が上手いなあと思いました。
予告や戦シーンのコミカルさからお国の死という結末には賛否両論ありそうですが、無門に育てられたというネズミのナレーションから、描写不足もありますがお国が生き延びたとも取れると思いました。
Jun潤

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