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親愛なるきみへのNMのネタバレレビュー・内容・結末

親愛なるきみへ(2010年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

春、若い男女が出会い恋に落ちる。
二週間後、休暇が終わり、女は大学へ戻り男は軍隊へ戻る。二人は文通を約束するが、911事件も起き、とても彼女と過ごしたいので除隊したいなどと言える雰囲気ではなくなる。そのうち女からの手紙は途絶えがちになり……。ここまではありがち。

女子大生のサヴァナは、自閉症の男の子アランと友達ではあるが、自閉症に対しての固定イメージが強く、こういう症状がある、こういう性質を持っている、と断定的に言い切る場面が多々あり、鵜呑みにする人がいないか心配になった。まだ学生だから浅くて当然だが。

米軍のジョンは父子家庭でずっと二人暮らし。ジョンの父を見たサヴァナは自閉症だと決めつけ、それをジョンに言ってしまい喧嘩になる。当然だ。ひとのことを発達障害だとか統合失調症だとか、病気と決めつけ口にするなんてことはしてはならない。例え実際罹患していたとしても、自分の責任でないことについて人を責めるのは人格否定だ。

アマンダは、綺麗で良い子だけど人間的に深みのないという役が多い。若くてあの美貌とあっては仕方ない。今回も、他人の症状を判断するようなことを言ったり、自閉症の子のために乗馬教室を開く、と夢を語るも結局ひと夏で破綻、ジョンの父の世話も続けなかった。考えが浅い。最も急な出費がその原因の一つだが。
ただただ孤独に耐えられない、そしてただ目の前の困った人には他の事を差し置いてつい手を差し出してしまうという、安直さを持つ。それが事態を余計複雑にさせたとも言える。あるいは彼女の性格が、複雑な人間関係を呼び寄せている。

ジョンや、ジョンの父、アランの父ティムたちは、人生に重い荷物を背負っている。だからこそ、純粋で屈託のないサヴァナの癒しを求めた。

ジョン目線で描かれているので、つい彼の味方をしてしまう。

そしてジョンの父が作るレシピが期せずしてどれも美味しそうだ。ちょっとしか映らないのが残念。
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