kyoko

青春讃歌のkyokoのレビュー・感想・評価

青春讃歌(1985年製作の映画)
3.9
「僕たちはいかに若かったか」という原題に「青春讃歌」という邦題が言い得て妙。
とにかく前半の童貞オサラバ物語が必死過ぎて笑える&痛々しい。大学寮のカオスと熟女の筆おろしに幼馴染の存在が消滅したかと思ったら、後半は急激に若いふたりの愛が煌めきだして、海辺のシーンはフランス映画ばりに美しく、結婚式は幸せの喧騒の中に不穏な予感を孕ませる見事な演出。

身体のハンデという、戦争の爪痕は生々しく残るものの、親を亡くした青年をとりまく人々はみな総じて暖かい。初の有人宇宙飛行に沸く様子はプロパガンダ味が強いけど、友とのやりとりは良かったな。

ところどころの唐突感に置いてきぼりを喰らいつつも惹きつけられる場面が多い。最後の最後で度肝を抜かれた上に泣きそうになった。
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