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哭声 コクソンのcoroのネタバレレビュー・内容・結末

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

小野不由美の「屍鬼」のような構成。妻も同じように感じていた。

何の植物だかは分からないが、南天や彼岸花の類の意味を持つ草花や香炉、燭台など、殆どすべてのものが古来から伝わるお祓いの意味を持つもので支配されている。そのことがもう既にこの村が穢されていることを暗示している。
異なるものを同一線上に並ばせたような空間で延々と続く、祈祷師のどこか道教や黒魔術を併せたような除霊(除霊にも降霊にもみえる)シーンは圧巻で、何か違和感を感じながらも、その不浄を清浄に転じ得ない土壌へと引き込まれていく。

戸惑いに囚われたままの心は、一旦は谷底に沈み、またそこから闇がじわじわと滲み出し、姿を変えて蘇る。

なぜ心に疑いを持つのか
私の手や足を見よ、まさに私だよ
触れてみよ、このとおり肉も骨もある

3度繰り返されるこの言葉を取り払い、抽象的な概念を具象化しなければ「チェイサー」に匹敵するほどの作品。
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