ゆず

フリー・ファイヤーのゆずのレビュー・感想・評価

フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)
3.7
往生際の悪さを見守る。

郊外の廃工場で密やかに始まった武器取引。
IRA構成員と武器商人。
しかし意外にもそれぞれが連れていた下っ端たちによって取引はとんでもない方向へ。
クズ男を演じたサム・ライリーが面白い。
あとジャック・レイナーがメガネにロン毛で、岩井俊二監督に見えないこともなかった。

廃工場での銃撃戦なので障害物が数多くあり、発砲音だけでなく、跳弾の音もけっこう耳に入ってくる。
2種類の音が組み合わさることで銃声に様々なバリエーションが生まれ、銃声が「銃の声」と書くようにひとつのコミュニケーション手段にまで進化する。
叫びと呻きと銃声で会話する映画である。
ただその会話の内容がしょーもなかったりして面白い。

90分間ひたすらグダグダやってる割になんか面白く見ることができるのは、各キャラクターの描写が割と丁寧だからかもしれない。
計10人で撃ち合うがそれぞれに見せ場があり、脇役の一番目立たない人に至るまで「なんかこういう奴だったよね」と思い出せてしまうような、彼らの犯罪歴を描いたスピンオフがあったらいいなと少し思ってしまうような、そんな感じだった。


6/13 フリー・ファイヤー 字幕 @チネ・ラヴィータ
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