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幼な子われらに生まれのfilmaholicのネタバレレビュー・内容・結末

幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

何とも胸が痛い話でした。こういう映画を観ると、私と弟が大きくなるまで離婚を待ってくれた母親に感謝してしまう。学校で苗字が変わるから、周りの目もあるからとは言ってたけど、精神的にも、高校生大学生になってからで良かったと思った。それか記憶に残らない赤ちゃんの時ね...
両親が離婚して、再婚して、同じ家の中に親の違う兄弟がいて...近くにいる本当の親にたまに会って...なんて...小学生や中学生にとっては確実に幸せではないよ、まだ結婚してないので子ども目線でしか感じられないけど。
死別は別として、「本当の」っていうことに、大人が思う以上に子どもは敏感というか、重んじるというか...
「まだ子どもだから」「もう大きいでしょ」なんて親の尺でしか測られてないもので、必ずしもすべての子どもがその感覚に当てはまっているわけではないから、長女に対する田中麗奈ママは本当に私はありえないと思った。我が子とコミュニケーション取れてなさすぎだと。反抗期でも何でもないよ。
確かに暴力振るわれていたのはつらかっただろうし、再婚して安心して生活したかったと思うけど、あまりに周りが見えてなくて..さらに周りが不器用で..悪循環。見るのしんどかったー!
新井美羽ちゃん演じる次女もあと少し時間が経てばお姉ちゃんみたいな時期は来るし、映画は終わったけど、あの人たちに幸せは来ないだろうなって思っちゃったな...
子どもを作る方、生まれる方..私は我が子は「生まれてこさされた」子には絶対したくないなと感じた。

家までの長い階段、エレベーター、通勤電車が何度も出てきてたのが何だか映画的には良かった...浅野忠信さんがサラリーマンで庶民に見えたし、新境地?オーラ消してるっていうかすごい!て、そこは感動した。子役3人すっごかったね.....

新しいお父さんが死んでも悲しくないし
「お父さん」って呼びたくない

矛盾するけど親の離婚を見た身としては離婚しること自体はいいと思う。
命や生きるすべ、お金が絡むならなおさら早い方がいい。
でも自分は子どもを抱えての離婚はあまりに不幸だからしたくない。
暴力は本当にダメなんだけど...すべては「理由」によるか..。

親の離婚でつらくなって、親も子も、まぁ色々あったけど幸せになれてよかったって言えるなら、それは何十年も先。
こどもがこどもじゃなくなってからの未来の話。
それまではみんなそれぞれのポジションで幸せなふりしたり、これでいいんだって言い聞かせたり、これが家族って思うようにしたり。大人も子どもも無理することが自然体になってしまうから一カ所にひびが入ると、ガクンと崩れ落ちてしまう
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