ニクガタナ

ワンダー 君は太陽のニクガタナのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.0
出産から泣けた。いや、正しくは予告編観た時からもう、ちょっと泣いてた。自身に小学生の息子がいるからというのもあるとは思うが、こんな泣ける映画久しぶり。主演のジェイコブ・トレンブレイ。「ルーム」から上手いし可愛いし注目してたが、予想以上にやられる。あんな感情現しにくい特殊メイクされてなお痛いほど伝わる、怖れ、悲しみ、喜びの感情。彼の演技なくしてはこの映画の成功はない。主演男優賞あげたい。近年洋画邦画問わず子役の芝居のレベルがドンドン上がってるし、子役頼りな作品も多い。そろそろアカデミー子役賞とか必要だな。子供たちは主人公以外も皆子供らしくて良い子たちで、こんなに嫌味なく良い子に描けるのはチョボスキー監督の手腕か?エモーショナルになりすぎないセンス良い演出がダイスキー。脚本上特に感心したのは小道具使い。主人公にとって顔を気にしなくても良い、願っても無いハロウィンの日に、フルフェイスマスクで誰が誰かわからない状況が上手い。初めて出来た友達(将来ディカプリオ系のイケメンになりそ)が、いじめっ子や同級生達との和を壊さぬよう処世のためについた、聞かれてないはずの酷い言葉。そりゃ絶交もんだ。彼の願いと喜びを表す宇宙服とチューバッカもナイス。主人公の家族が犬含め皆優しくいいキャラ。今までジュリア・ロバーツの良さが分からなかったが、本作では覚悟ある母親を見事に演じており、随所で見せる涙を堪える彼女の芝居にこちらがたまらず泣く。一番泣いたのは主人公が終業旅行中に涙を堪えきれなかった湖の辺りの友情のシーン。本作を観て流す涙のほとんどは憐憫や同情の涙ではなく、共感の涙で、大変に活力をもらえる。
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