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ザ・ブック・オブ・ヘンリーのhynonのレビュー・感想・評価

3.6
ナオミ・ワッツと2人の名子役(ジェイコブ・トレンブレイ、ジェイデン・マーテル)が好演。

Siaの「Chandelier」等のMVで驚異的なダンスと表現力を見せた天才少女マディ・ジーグラーも出演している。

賛否が分かれてるけど、ほんと、どちらとも言い難い微妙な映画…
絶賛されるのもわかるし、酷評されるのもわかる。

展開が唐突なうえにいろいろ盛り込みすぎで「?????」
途中なんの話なのかさっぱりわからなくなった。
そうか、これは家族の話であり、母親の成長の物語なのか。

一方で、サスペンス的な部分が残念すぎる。
ヘンリーのとても天才少年とは思えない浅はかで短絡的な発想、行動、計画には説得力がなく、せっかくの天才少年という設定が活かされていなかったと思う。
この映画の最後の展開まで、すべてがヘンリーの計画の内だった、というなら天才かもしれないけど…。

まだ子供だから倫理観が危ういのは仕方がないとしても、優しい母親に育てられ頭も良いのに思想が過激派なのはなぜなのか…?

マディ・ジーグラーのダンスシーンが持つ意味も、演出のせいで伝わりにくくなっていて残念だった。
なんなら「Chandelier」ぐらいのインパクトや、思い切った感情表現が必要なシーンだったと思う。
せっかく天才ダンサーを起用したのに活かされていなくてもったいない。

描写が説明不足だったり、展開に無理があったりして粗が目立ったけど、大筋の親子の物語はとてもよかった。
せっかくいい話なんだから、変に殺伐としたサスペンス要素を盛り込まなくてもよかったんじゃ…?

キャストも映像も音楽も家族愛も素晴らしくよかったので、普通のファミリードラマとして観たかった。
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